Requiem~a novelette~ 第19話 決意 次の朝、俺は村に立てられた札を見つめている。 『ニクスの村の民に告ぐ。 明後日までに隣村の市場まで トライオード医師を投降させること。 明後日以降、彼をかくまった者は銃殺とする。 また村が関与している場合はこの村を焼き払う。 なお、彼が逃亡... 2012.08.15 Requiem~a novelette~
Requiem~a novelette~ 第18話 三文芝居 「先生!あいつらだ!」 ドアに向かう俺をロゼッタが行く手を阻んで制止した。 彼女の表情はいつになく厳しい。 ロゼッタは先客の男に目で合図を送った。 それを見た男は俺の所にやってきて、 俺の手を掴むと手の平をゆっくりと上下した。 どうやら俺に... 2012.08.15 Requiem~a novelette~
Requiem~a novelette~ 第17話 終りを告げる鐘 あれから1週間が過ぎた。 俺達はどこかぎこちない。 それはそうだろう。 あんなことがあったんだ。 昨日と変わらない毎日が始まった。 それでも人はこんな生活を幸せと呼ぶのだろう。 でも何かが足りない。 心の中にポッカリと穴が空いているようだ。... 2012.08.15 Requiem~a novelette~
Requiem~a novelette~ 第16話 天使の涙 穏かな日だ。 いつもの毎日が始まる。 ロゼッタは診察の後片付けをしている。 夜間の急患で忙しかったが、充実した毎日を俺は送っている。 今日は休診日だ。 ロゼッタの家は村から少し外れた所にある。 家の横には小川がせせらいでいる。 眼を凝らして... 2012.08.15 Requiem~a novelette~
Requiem~a novelette~ 第15話 純白の白衣 「・・・セイ。」 「・・ンセイ。」 「先生!トライオード先生!」 「ロゼッタ?」 ロゼッタが俺を激しく揺さぶっている。 「ここは・・・どこだ?」 「大丈夫・・・ですか?」 俺の真似をしているようだ。 「ここはニクスの村。そしてここはロゼッタ... 2012.08.15 Requiem~a novelette~
Requiem~a novelette~ 第14話 閃光の中で 俺はアベルのいるテントを離れてエノーラのもとに急いだ。 やけにテントが静かだ。 嫌な予感を感じてテントに飛び込んだ。 その光景に俺は言葉を失い、膝を落とし、地面の土を強く握りしめた。 「エノーラ・・・。」 彼女は床に倒れていた。 彼女の手に... 2012.08.15 Requiem~a novelette~