Requiem~a novelette~

第18話 三文芝居

「先生!あいつらだ!」ドアに向かう俺をロゼッタが行く手を阻んで制止した。彼女の表情はいつになく厳しい。ロゼッタは先客の男に目で合図を送った。それを見た男は俺の所にやってきて、俺の手を掴むと手の平をゆっくりと上下した。どうやら俺に『しゃがめ』...
Requiem~a novelette~

第17話 終りを告げる鐘

あれから1週間が過ぎた。俺達はどこかぎこちない。それはそうだろう。あんなことがあったんだ。昨日と変わらない毎日が始まった。それでも人はこんな生活を幸せと呼ぶのだろう。でも何かが足りない。心の中にポッカリと穴が空いているようだ。下から良い香り...
Requiem~a novelette~

第16話 天使の涙

穏かな日だ。いつもの毎日が始まる。ロゼッタは診察の後片付けをしている。夜間の急患で忙しかったが、充実した毎日を俺は送っている。今日は休診日だ。ロゼッタの家は村から少し外れた所にある。家の横には小川がせせらいでいる。眼を凝らして見ると小さな魚...
Requiem~a novelette~

第15話 純白の白衣

「・・・セイ。」「・・ンセイ。」「先生!トライオード先生!」「ロゼッタ?」ロゼッタが俺を激しく揺さぶっている。「ここは・・・どこだ?」「大丈夫・・・ですか?」俺の真似をしているようだ。「ここはニクスの村。そしてここはロゼッタのお家。」「あな...
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第14話 閃光の中で

俺はアベルのいるテントを離れてエノーラのもとに急いだ。やけにテントが静かだ。嫌な予感を感じてテントに飛び込んだ。その光景に俺は言葉を失い、膝を落とし、地面の土を強く握りしめた。「エノーラ・・・。」彼女は床に倒れていた。彼女の手には銃が握られ...
Requiem~a novelette~

第13話 悪夢

ここはどこだ?とても暗い。ドドド、ドドドドドドド。銃声だ。あちこちで銃声が鳴り響いているのが聞こえる。俺はテントの中で兵の治療を行なっている。いや、治療と呼ぶには程遠い。ただの手当を俺は必死でやっている。沢山の血で染まった真っ赤な白衣を着て...