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ステレオ録音

2014/10/15

マイク2本を使ってステレオ録音する際の方式について少し書いてみます。

AB方式
AB方式(A/B方式)
2本の指向性マイクを並列に使用し、
ステレオ感を出す為にはハース効果を利用します。

ハース効果を簡単に言うと、同じ音であった場合は
耳に速く届いた方向で音が鳴っていると脳が判断します。

そもそもハース効果とは同じ音を複数のマイクで録音する際に発生する
位相や音量、マイクの集音の向きによる周波数特性のズレを
上手く狙って利用したものです。狙いが外れると只のズレです。(^^;

赤aと赤bでは赤aの方が青色のマイクに速く音が届くので、
「左側で鳴っている」となるのです。

黄Cと黄Dでは同時に音が届いているので、
中央で音が鳴っていると脳は判断します。
左右のスピーカーの音量を調節して
リスニングポジションを移動させるのと似ていますね。
AB方式ではマイクの位置が異なるので
位相キャンセルの問題がでてきます。

また、音源とマイクの距離が長いほど、位相のズレがでてきます。

MSA方式
MS方式
MS方式のMSとはMidマイクとSideマイクの
2本のマイクを指しています。

図のMは単一指向性マイクを使用し、
LとRは双方向性の1本のマイクです。

M-S、M+SでLとRを作っています。

MS方式のメリットはサイドマイクをオフにすれば、
ミッドマイクでモノラル音の録音が容易に出来ること、
サイドマイクの音量を調節することにより、ステレオ感を
狭めたり広げたり出来る事です。

この際はRAWデータを使います。

デジタル一眼カメラで言うRAWデータと同じ意味で、
「素のデータ」を指しており、RAWデータを取り出せば
後でモノラルにもステレオ感の調整も簡単なのです。

また、AB方式とは異なり、
同一点にマイクがあるので、基本的に位相ズレの問題はありません。

ただしデメリットもあります。

マイクは正面の音をよく集音し、横方向の音は乱れがちです。
スレテオ録音で録音した真正面の音は、
Midマイクからいうと正面、Sideマイクからいうと真横です。

この真横で録音された音には少しばかり周波数の乱れが発生しています。
とは言っても、双方向性マイクであるSideマイクは真正面の音を
多く捉えることが出来ないのですが。。。

また、Midマイクは基本的に無指向性です。

真横からの音はSideマイクとMidマイクの音で録音されるので、
真正面と比較して音が大きく録音されます。

俗にいう中抜けの音になるのです。

ということは、正面の音をSideマイクが拾った時の
周波数の乱れはそんなに気になるものではないということです。

もちろん、私のように「趣味の範囲では」という条件付で
気にならないということです。

ステレオ録音と話は逸れますが、
ボーカル録音等の際にマイクを口の真正面で捉えるのは、
一番乱れの無い、感度の良い音を集音するためなのです。

最近のカラオケ屋さんのマイクは単一指向性マイクなので、
真正面で歌う、マイクを横に持って歌う。

どうでしょう。違いはありますでしょうか。

また、スピーカーからの音量を調整して、
マイクの近くで歌う、マイクを離して歌う。

聴覚上の音量を揃えた場合、芯のある音、
エフェクトの掛かりの良いのはどちらでしたか。

話を戻します。

XY方式
XY方式
XY方式はMS方式の発展系で、単一指向性マイク2本を使います。
MS方式と同様に位相の問題もありません。

自然なスレテオ感を持った音を録音するのに適した方式です。

AB方式ではマイクの位置の違いにより位相のズレがあると
書きましたが、MS方式とXY方式では発生しないと書きました。

2本のマイクが同一「点」上にないので位相の問題は発生すると感じますが、
スレテオとは左右の広がりなので、MS方式とXY方式での縦軸に位置が
異なるのは関係ないのです。

ちなみに私の持っているハンディレコーダー、
ZOOM H2はMS方式とXY方式の両方を備えており、
前背に配置されたこの2つの方式を利用して
360度サラウンドを録音することができます。

何かの参考までに。

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