・作曲/理論/音響

視野と定位

2015/05/29

狩猟民族、農耕民族という話は別として眼の位置だけをみると
人間は肉食動物ということができるでしょうか。

獲物を裂く爪や牙を持ちませんが、
かといって草食動物のような歯や顎、消化器官も持ちません。

どっちにも属してないように思うので
ここでは便宜上「装飾動物」に分類します。
他の動物より派手好きですから。(^^;

眼の位置と視野について少し書いてみます。

動物の種類によって様々ですが、
ここでは猫を例にしてみます。

nikusyoku.gif
両眼で見ることのできる視野は120度。
片目(単眼)では80度の視野になります。

後方の80度は見ることはできません。

単眼のみで確認できる視野に対して両眼視野以上に
警戒する仕組みになっているようです。

そして両眼視野では距離感が正確です。

sousyoku.gif
草食動物、ここではウサギを例にします。

前方視野は両眼で僅か10度しかありませんが、
片目(単眼)視野は170.5度と広範囲です。

後方も両眼視野で9度の視野があります。

肉食獣に追われていても、それを確認しながら
逃げているということになります。

ウサギの視野は360度。

草食動物はこうして肉食動物から身を守っています。

では、装飾動物の人間でありますが、
両眼視野は120度なので猫と同じですね。

しかし両眼、単眼を合わせて猫の視野が280度であるのに対し、
人間の視野は200度もあれば良い方です。

ブラインド視野が大きいので、
人は後ろに立たれると恐怖心を覚えます。

距離感の正確でない単眼視野と見えないブラインド視野では
どうやら警戒システムが働くようです。

ここまでで人間の距離感が正しく感知できるのは
約120度ということを書いてきました。

これに耳からの聴覚情報を加えて更に精度を増すのです。

言いかえれば120度以内の定位を算出するのには馴れていて、
120度を超えると少し曖昧になるのでしょう。

DAWでセンターを0として左右にパンを振る際は、
120度以内の音の定位を敏感に感じているのでしょう。

ということは、聴かせたい音やフレーズは
120度以内の定位に持ってくれば良いのでしょうか。

これはスピーカーでの話です。

スピーカーは先方に設置してあるので、
前方視界と前方定位になります。

聴覚からの情報で音の発信源を視界で捉えることができます。

スピーカーでは中心定位に属する音は、
スピーカー間の1/2の位置から音が
出ているように聞こえるハズです。

問題はヘッドホンです。

ヘッドホンでは方向情報が無くなるので、
視界に音の発信源を示すことが出来ないため
頭の中に定位を作ってしまいます。

これを頭内定位といいます。

ヘッドホンからの音は両耳の外耳道の入り口から入り口までの
距離にレベル差と時間差によって定位が置かれます。

結果、頭の中に定位がある頭内定位になるそうです。

奥行き感は時間差によるものなのでリバーブを掛ければ
良いのですが、問題はスピーカーとヘッドホンでは
定位の感じ方が異なるので、ヘッドホンで奥行きがある音源は
スピーカーで聴くとリバーブ過多になりがちなところです。

モニタースピーカーとモニターヘッドホン。

このどちらか、又は両方でDAWを扱うことになりますが、
定位に限っては全く別の計算を脳が行っているのです。

どちらも同じではないのですね。

スピーカーで聴く時の定位は頭外定位、
ヘッドホンで聴く時の定位は頭内定位なので
定位の聞こえ方は根本的に異なります。

最近ではヘッドホンを用いた頭外定位について研究が
進んでいるようですが標準装備されるにはもう少し時間が
必要でしょう。

私はヘッドホン主体で作っているので、
頭内定位でパンを振っています。

スピーカーで聴くのは最後の段階で
変に聞こえないかの確認だけです。

何が言いたいかと言うと、
私の曲を聴くときはヘッドホンでお願いします。(^^;

スピーカーとヘッドホン、
頭外定位と頭内定位について書いてみました。

最後はタイトルから外れてしまいましたが、
何かの参考までに。(^^;

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