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ダイナミックレンジと音圧

トラックダウンの際にはダイナミクス系のエフェクトを使用して
全体に統一感を出したり音圧を上げたりします。

A をピアノとドラムの基本トラックとし、
B を A にマルチバンドコンプレーッサーを掛けたものとします。

C は B にノーマライズ処理を掛けたもの、
D は B にマキシマイザーを掛けたものとします。

AからBの処理は冒頭に書いたように全体の統一感を出すために
マルチバンドコンプレッサーを使用したものです。

comp201502

Bの状態です。

このままでは全体の音量が小さくヘッドルームにも余裕があります。
迫力のある曲となるように全体の音量を上げることにしましょう。(^^)

では、どうやって音量を稼ぐか。

そこで、B の状態のままで最大音量、すなわち0dBまで持ち上げる。
要はノーマライズという処理を掛ける方法です。

comp201503

B の状態のままノーマライズ処理を掛けた C です。

単純にクリップしないようにゲインが上がっただけなので、
音量は上がってもダイナミックレンジに大きな変化はありません。

ダイナミックレンジは無音と最大音量の差です。

信号でいうダイナミックレンジ
曲でいうダイナミックレンジとでは微妙に異なる場合があります。

ノーマライズはゲインを上げただけなので
曲のダイナミックレンジに変化が無いという人もあれば、
無音との差なので0dBまで持ち上がったのならレンジは上がったという場合も。

ややこしいのでこういう話には巻き込まれたくありません。(^^;

ここまでは音量の話です。

では音圧を稼ぐには・・・・。

Bはマルチバンドコンプレッサーを使用しているので、
Aより幾分か音圧も上がっている状態です。
よってBのゲインを上げただけの C も同じ。

更なる音圧を稼ぐためにBにマキシマイザーを使用してDを作ります。

comp201504

埋もれがちな音は大きくなり、最大音量も0dBまで持ち上がりました。
先のBの波形と比較すると波形が太く力強くなっています。

しかし、小さな音が大きくなっているためダイナミックレンジは狭くなります。

Bから作ったCとD。

最大音量はどちらも0dB。

Cはノーマライズ処理。
Dはマキシマイザー処理。

ダイナミックレンジが広いのはC。
音圧が高いのはD。

comp201501

Aは基本トラック。
Bは統一感を出すためにAにマルチバンドコンプを。
CはBにノーマライズ。
DはBにマキシマシザー。

オレンジ帯を見てみましょう。

Bのマルチコンプだけでも音圧が上がっているのが判りますし、
CとDでの処理による違いも判ります。

緑の帯を見てみましょう。

AとBの差ですが、統一感を出す目的で使用するマルチバンドコンプレッサーも
設定を考えなければ、上側のchでは既にBの段階でAの波形の面影を残していません。
それを踏襲したCとDになっています。

赤帯の部分からその少し前の部分を見てみましょう。

マルバンドコンプ→ノーマライズを掛けたCの方が
マキシマイザーを使用したDより波形が大きいです。

何となくマキシマイザーの方が大きくなるようなイメージですが、
今回はマルチバンドコンプレッサーの方が波形が大きくなっています。

何の気なしに使用しているダイナミック系エフェクトですが、
こうやって比べてみるとなかなか面白いものですね。(^^)

ちなみにAのトラックはピアノとドラムのシンプルな曲。

これがトラック数の多い曲になるとDは味付け海苔みたいな波形になります。(^^;

「ダイナミックレンジの広い曲の波形は魚の骨のよう。」
「音圧がバリバリに高い曲は味付け海苔のよう。」

自分に自信がない私は空間恐怖症。
直ぐに音で隙間を埋めてしまいます。
そして音圧というハッタリでいつも逃げるので
私の場合はスーパー味付け海苔ですがオカズにもなりません。(ToT)

 

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