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DAWでの音の変化

2014/10/27

DAWにおける音の変化について少し書いてみます。

オーディオインターフェイスへの入力音(アナログ)は、
オーディオインターフェイスでA/D変換されます。

A/D変換とは、ΔΣ変調 (デルタシグマ)等の方式を使って、
アナログからデジタルへ変換することを指します。

DTM環境配線図2
例えば、私の使っている TASCAM US-144mkIIでは、
入力されたアナログ信号を24bitの内部処理で変換を行ない、
ドライバで設定されたサンプリング周波数とビットデプスに整え、
USBでパソコンに伝送しています。

DAWではこの信号をDAWでの設定に基づいて保存しています。

DAWでの設定が44.1kHz/16bitであるなら、
オーディオインターフェイスから送られてきた信号を
44.1kHz/16bitに変換して保存します。

最近のDAWでは、初期値で24bitになっているので、
オーディオインターフェイスが24bit出力ができるなら、
ドライバの設定で24bitにした方が良いです。

24bit内部処理、伝送も24bit、DAWでの保存も24bitで
あるなら、変換回数が少ないのでビット変換による音の変化も少ないです。

この理由と同様に、サンプリング周波数(標本化)も
オーディオインターフェイスとDAWで合わせておいた方が良いでしょう。

但し、高サンプリング周波数や量子化(ビット)にすると、
ファイル容量が大きくなるので、PCの処理能力やHDD等の容量と
相談しながら決めましょう。

ここまでは、これまで様々な記事で書いてきたおさらいです。

本題はここから。

DAWで作業していると、いつもDAWから聞いている音と、
ファイルに書き出した時に「音が違う」と感じる事があります。

また、同じ機器を使用していても接続方式を変えると
音が変わることもあります。

例えば、オーディオインターフェイスの設定を「44.1kHz/24bit」
DAWでのプロジェクト設定を「44.1kHz/24bit」とします。

VSTeやVSTiを使った処理はDAW内部で32bit floatで処理されます。

通常、16bit.24bitと言われるものは整数処理です。
処理結果に小数点以下がでた場合は、乱暴にいうと四捨五入で
整数に置き換えられます。

これでは、処理を重ねるうちに結果が本来と変わってくるのです。

ですから、内部の処理は小数点を残した形で処理されています。
1.1+2.6+3.9+4.8=12.4(32bit float内部処理結果)=12(24bit保存時)
イメージとしてはこんな感じです。

もし内部処理が整数であったらなら、
1+3+4+5=13
たった4つの和算で「1」の違いが出てしまいます。

処理が増える程、基とは離れた結果になるので、
内部処理は32bit floatなのです。

余談ですが、32bit floatは理論上、
クリップは発生しませんし、ダイナミックレンジの上限もありません。

そして、小数点の計算をすることを浮動小数点演算といいます。

CPUの内部装置は英語でFloating Point number processing Unit(FPU)。
なので、32bit float と書くのです。

パソコンのCPUの処理能力を示すものとして、
論理演算、浮動小数点演算などがありますが、
DTMに使用するパソコンのCPUは浮動小数点演算能力の
高いものが良いと言われていたのはこの為です。

話を戻します。

DAWでの作業中に聞いているのは、
保存された(ここでは24bit)信号ないし、32bit float処理結果の音を
オーディオインターフェイスの設定(ここでは24bit)で伝送し、
オーディオインターフェイス内でD/A変換(デジタルからアナログへの変換)
された音を聞いています。

しかし、ファイルへと書き出す際、異なるサンプリング周波数とビット深度
(標本化と量子化)すると、いつも聞いている音と違うと感じるのです。

例えば、DAWで48kHz/24bitで保存されていた信号を、
ファイルへ書き出す際に44.1kHz/16bitとし場合、
音の大きさの段階数、1秒間のサンプリング数が間引かれます。

これによりノイズ感を感じたり音の変化を感じるのです。

ビットデプスの変換によるノイズを低減する方法として
ディザーがあります。製品版CUBASEでは「UV22HR」という
ディザリングプラグインがあるので、これをマスターチャンネルの
一番最後にスロットし、書き出すデプスにUV22HRの設定を
合わす事でこのノイズを聴覚上、低減することができます。

963.jpg
極論を言えば、
Aという音を44.1kHz/16bitで録音すればB、48kHz/24bitで録音すればC。

Cで録音したものを44.1kHz/16bitでファイルに書き出せばB。

CとBでは見え方が違う=聞こえ方が違う。

BとCの1マスの大きさを揃えると、
Cの方が面積が大きい=保存に要する容量が必要。

こんな感じでしょうか。

もちろん適当な私のすることなので、縦横のマスの数は適当に作っています。
44/16と48/24の関係を縮尺したものではありません。念の為。

機器への接続をアナロ方式とデジタル方式に変えても
音の変化を感じることがあります。

最近ではデジタル入力端子を有した
パワードモニタースピーカーも多くみられます。

このようなスピーカーを例にすると、
最初の図では、スピーカーへの信号はRCAコンポジットケーブルで
アナログ信号をスピーカーに送っています。

この場合、DAWからのデジタル信号をアナログ信号に
変換しているのはオーディオインターフェイスです。

DTM環境配線図1
オーディオインターフェイスとスピーカーの接続をRCAケーブルから
S/PDIFもしくはデジタル同軸ケーブルに変更したらどうでしょう。

デジタルからアナログに変換するのは、スピーカーに内蔵された
D/Aコンバーターが行なう事になります。

アナログケーブルによる信号の損失、ノイズの混入等の問題も
ありますが、比較的近距離での接続であれば、環境にもよりますが、
問題視する必要は少ないといえます。

接続方式の違いによる音の違いを感じたとするならば、
D/Aコンバーターの特性や質である可能性があります。

オーディオインターフェイスのD/Aコンバーター。
モニタースピーカーのD/Aコンバータ。

どちらのコンバーターの質が良いかによって、
接続方式を決定することもあるでしょう。

デジタルだから音が良い。
アナログだから音が悪い(良い)。

デジタルでも音は劣化するので一概には言えないのです。

今回は、いつも聞いているDAWでの音と
ファイルに書き出した際の音が異なると感じること。
接続の方式により音に違いを感じる事。

この2点について書いてみました。
何かの参考までに。

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