・作曲/理論/音響

三点定位と前後左右と上下

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音の定位について少しまとめてみます。

DTMを始めて最初から数十トラックのミックスを行うことは稀なことだと思います。

最初はトラック数が少なく各楽器の分離も良いのですが、
トラック数が増えていくとやがてミックスの壁にあたります。

私の場合は壁の前でずっと立ち止まったままですが。(^^;

 

基本的な三点定位

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まずは基本的な「三点定位」から始めてみましょう。
少ないトラック数では簡単で効果的な方法です。

三点定位とは、「左、中央、右(L-Center-R)」の3点です。

各トラックでパン(PAN)を左か右に目いっぱいに振るか
そのまま中央センターで定位させるか。
ステレオトラックは基本センター定位です。

これで「三点定位」の調整は終わり。

次に「前後配置」です。

前後の配置(奥行き)で必要な要素は
「音量」「直接音と反射音の割合」「高音の減衰」が重要となってきます。

そう、フェーダーとリバーブです。

まず、ミキサーのフェーダーを使って
各トラックに音量差を付けていきましょう。

大きい音は手前に、小さい音は奥に引っ込む感じです。

次に残響系エフェクトを使いますが、
どうしてもボヤけてくるので
音量差の調整を基本としましょう。

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今度は残響系のエフェクトを使ってみます。

手前の楽器には薄く軽く。
中程の楽器は程よく。(^^;
奥側の楽器には深く厚く。

薄くとはリバーブエフェクトでいう短いリバーブタイム。
深くというのは長いリバーブタイム。

軽くとか厚くはリバーブと原音の混ぜ具合(MIX・wet/dry)。

あとは最終トラック(ステレオトラック/マスタートラック)で
全体的に軽くリバーブを掛けて全体の質感を馴染ませます。

するとどうでしょう。

たかだか三点の定位でもフェーダーによる音量差と
数段階のリバーブによって中間位置が補間された
ミックスになっていませんか?

あとは微調整。

更に聞こえが良いようにPAN、フェーダー、
リバーブの設定を変更してみましょう。

トラック数が少ない場合、
短時間で案外にミックスがまとまる方法です。

これに加えて、各トラックでコンプレッサーやEQを使う
手法を加えていけばミックスも上達していきますね。(^^)

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先に「音量」「直接音と反射音の割合」「高音の減衰」と書きましたが、
ダイナミクス系のエフェクト、マルチバンドのコンプやエキスパンダーなどで
「高音の減衰」を再調整すれば録音された音に対して奥行きをある程度
補正することも可能ですね。

 

上下の定位

パンによる左右の定位。
音量差や残響系エフェクトによる奥行きの定位。

上下の定位についてはどうでしょうか。

ミキサーには上下の定位に係る設定箇所は見当たりませんし、
エフェクトを見ても「上下」というそれらしき設定箇所がある
エフェクトは見かけません。

ステレオ録音された「録音対象」、
例えばドラムのシンバル類や効果音の雷などは上に聴こえますが、
ある音を意図的に上下に定位を据える方法はあるのでしょうか。

上下の定位については心理面によるところが多きいようで、
昭和27年に東京大学で行われた実験では、7位置の角度、6つの周波数。

また、角度と音を7段階にした第2実験を行った結果、
「高い音は現象的に空間の中で高い所に位置づけられる。」
ということに要約できるとあります。

しかし、個人差や個人内でもバラツキがあることもあげられており、
やはり心理的な面によるところも大きいのでしょう。

 

EQ、リバーブ、FXチャンネルによるアプローチ?

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視野と定位では肉食動物と草食動物の視野を例に、
人間は視野と聴覚で120°範囲での定位が最も感じやすいと推測しました。

視野と聴覚を同じ話とすることはできませんが、
聴覚、視覚よりの情報から120°という範囲での距離感は
日常生活によって脳が訓練され、知覚しやすい位置であると考えてのことです。
(視野と定位コメント欄参照)

また、スピーカーは前方に設置してあるので前方定位であり、
日常で脳が行う処理に近い形で音楽を聴いていることになりますが、
ヘッドホンでは頭の中に定位を作る頭内定位であることについても書いています。

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モニター環境の改善1では、スピーカー設置におけるリスニングポジションと
その時点での私のモニター環境における問題点について記載しました。

先の心理的な面を考慮したアプローチを行うなら、
リスニングポジションがしっかりセッティングされたモニター環境で、
120°の範囲に定位を置き、イコライザーで上下に配置したい音を調整し、
正しい位置でその音を聴くと意図した音を上下に配置できるかもしれない。

ただし、その聴こえ方には個人差はある。

なかなか難しいですね。(^^;

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EQ、リバーブ、FXチャンネルを巧く組み合わせれば
何とかなりそうな、ならなさそうな・・・。

相当に熟練しないと無理っぽいです。
少なくとも趣味の範囲でのDTMの話ではなさそうですね。(^^)

※ツイーターの位置とモニター距離による聴こえ方とは別の話です。

 

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