・作曲/理論/音響

壁の遮音性

2014/10/15

今回は集合住宅における遮音性についてです。

建物は建てれば何でも良いという訳ではなく、
建築基準法や消防法などに沿ったものでなければなりません。

建築基準法には建築基準法施行令というものがあり、
第2節の3に、長屋又は共同住宅の界壁の遮音構造について定めています。

これによると、遮音性能に関する技術的基準として、
振動数の音に対する透過損失は下記のとおりとなります。

125Hz/25dB
500Hz/40dB
2,000Hz/50dB

建築における透過損失は高い周波数ほど高くなっているようです。

前に書いた記事で、音程と周波数ボーカルの帯域
楽器とデシベルも参考に読んで頂ければと思います。

ギターの1弦24フレットの基音は1.3kHz、
ボーカルの最高域(オペラ等を除く)は、~800Hz位まで。

昨日書いたとおり、アコースティックギターの音圧は
約80dBで交通量が多い道路や電車の車内の音圧です。

ボーカルの音量は約90dBです。
これは騒々しい工場の中の音圧です。

共同住宅における透過損失
例えば、500Hzで40dBの透過損失があるということは、
室内で演奏されたギターの音は、壁により40dBの
損失を受け、残りの40dBが屋外または隣室に漏れるということになります。

ボーカル(歌声)では、50dBの音漏れがあるということです。
では、40dBとはどの程度の音圧なのでしょうか。

昨日書いた記事を参考にします。

40dBの音圧は、閑静な住宅、市内の深夜です。

私たちは部屋の中では実際の音より40dB低い音を聞いていますが、
閑静な住宅でも、市内の深夜でも「その場所」で眠るには騒々しいですね。
50dBが漏れるということであれば更に騒々しいです。

では、どの位なら良いのか。

郊外の深夜、夜の住宅、街の静けさが30dBなので、
漏れる音が30dBであれば迷惑にならないでしょうか。

室内で80dBの音を出す、漏れる音が40dB。
それなら、防音ルームを用いたらどうなるか。

防音ルームの透過損失は40dBとします。

安価な組み立て式防音ルームの多くは、
透過損失が30dB~35dBですので、
挿絵や文章の数字を読み替えてください。

共同住宅における透過損失
防音ルームで80dBの音を出す。

室内では40dBである。
外壁により40dBの透過損失があるので、
屋外は0dBとなり、人が聞き取れる音圧以下となります。

ただし「500Hz」での計算です。

しかもかなり乱暴で簡素な計算です。
そして窓の透過損失は壁より低いです。

これ以外に、物質を伝わる振動による「音の漏れ」があります。

実際はもっと複雑多岐なので、
コーヒーブレイク程度で読んでください。(^^;

建物の構造の違いについて少し書いてみます。

【木造】
遮音性が悪い。湿度コントロールは良い。通気性も良い。

【鉄骨造】
木造の柱の部分を鉄材に変更したもの。

【鉄骨ALC】
壁にALC(軽量コンクリートパネル)を使用

【鉄筋コンクリート(RC)】
鉄筋にコンクリートを流し込んでいて頑丈。
壁の遮音性も良いが、法律上の定義では無いので、
壁がコンクリート性とは限らない(遮音性が悪い場合もある)。

【鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)】
鉄骨造と鉄筋造の良いところを併せ持ったもの。
一番頑丈で、遮音性も良い。

マンションの多くは鉄筋コンクリート(RC)造が多く、
遮音性も良いようです。

隣から上手なギターが聞こえてくれば文句は言いませんが、
たとえ日中でも、私のような下手なギターが聞こえてくれば
話は変わってくるのかも知れません。

やはり思いっきり練習するには、昼間でも防音ルームは有効ですね。(^^;

防音ルームは組み立て式タイプの1畳でも50~80万円します。
月々1万円程度のローンであればどうでしょう。

楽器や歌の練習に移動時間、移動コスト、スタジオ代...
これらを勘案して、1万円位使っているなら防音ルームも
良いかも知れません。

防音ルームは200kg以上の重量があります。
ピアノも200kg~300kgあたりです。
設置しても大丈夫なのでしょうか。

そこで明日は、建築基準法と楽器の重量です。

何かの参考までに。

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