・作曲/理論/音響

休符

2014/11/03

音楽を聴くということ。
それは無音を基本としているのかもしれません。
騒音の中で音楽を聴くことを好む人は少ないでしょう。

絵の上に絵を書かないように。
譜面の中に「休符」というものがあります。

これは読んで字の如く休みを表す音符ですが、
楽器を弾く手を休めるだけで良いのでしょうか。

音楽は無音の上に描かれていると解釈するならば、
休符は「無音を聴かせる」為の音符と考えることもできます。

音階、音量の無い音を指示する音符が休符なのでしょうか。

ppp(ピアノピアニシモ)という強弱記号は、
音量の強弱ではなく弾く強さを表している記号ですが、
pppを聴くためには静寂が必要となりますし、
無音(休符)を聴かせるとなればやはり音楽の下地は無音となります。

演奏者の息づかいが聞こえる。
観客の鼓動が聞こえる。

そんな言葉を耳にすることがありますが、
どんなホールでもスタジオでもフロアノイズがあるので、
実際に聞こえた訳ではないと思います。

フロアノイズとは空間に存在する環境音(ノイズ)で、
ノイズフロアは無音状態でも機器から発生しているノイズです。

なぜ息づかいや鼓動が聞こえるという言葉があるのでしょうか。
多分、それは人の想像力から作られた例えか空耳なのでしょう。

言いかえれば、休符は聴く側に想像力を提供する音符と
いうことができるでしょうか。

そして曲の最後にある休符。
この後に続くものはフロアノイズです。

演奏が終わった瞬間に訪れる静寂。

次の瞬間には拍手や喝采に踊る観客による
フロアノイズが聞こえてくるのでしょう。

作曲者は演奏者、観客に演奏後のフロアノイズを聴かせる為に
曲の最後に休符を持ってくることがあるのでしょうか。

そうであるなら、休符は使用する位置によっては、
単なる休みでも余韻や無音を聴かせる音符でもなく、
ましてや想像力を働かせる場所の指定でもなく、
感動を示した音符となるのでしょう。

そんな音符が休符というものなのでしょうか。

もし私が曲を作り、その曲の最後に休符を用いたら。
その休符の後には何が続くのでしょう。

少なくとも感動とは対極に位置するものです。
考えると寒気がします。(^^;

音符のなかで一番怖いのは16分3連の音符ではなく、
実は休符なのかもしれません。

オーケストラの譜面を見ていたら、休符について
いろんなことが頭の中に浮かんできました。

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