・楽器/エフェクター

コーラスの仕組み

2014/10/15

エフェクターでコーラスというものがあります。

ギターでは馴染みの深い音を揺らすエフェクターで、
一般的には音に厚みを出すのに使用します。

私はシングルコイルのギターを軽くクランチさせて、
コーラスを軽く掛けた音が好きです。

また、シングルコイルのクリーンなハーフトーンに
コーラスを掛けた音も好きです。

このコーラスは1970年にBBDという遅延回路を
松下(現在のパナソニック)さんが開発し、
それをエフェクターに使用したものです。

bbd.jpg
原音を2つに分けて、一方はそのまま、
遅延させて一方はピッチを揺らす。

これがコーラスの仕組みです。

同じような事をギターを弾く方なら自ら行なっています。
ギターのチューニングを合わす時、5フレットを抑えて(原音)、
隣の弦のピッチを上げたり下げたりしてチューニングします。

このとき2つの弦を同時に弾いても、
少なからず時間のズレが生じています。

コーラスの原理と似ています。

12弦ギターのプレーン弦は、2本の弦で同じ音
もしくはオクターブ上の音を出しています。

EとBの弦ではコーラス効果やデチューン効果が、
Gの弦はピッチシフトかオクターバーですね。(^^)

コーラスも、激しくピッチを揺らせばフランジャーです。
ピッチを揺らさず、僅かにズラせばデチューンです。
ピッチはそのままで遅延時間を長くすればディレイです。
ピッチの変化幅を固定し揺らさなければピッチシフターや
オクターバーです。

どれも仲間のようなものですね。

最初のエフェクターが BOSSの CE-1。
最初のアンプが Roland JC-120。
JC-120が発売されたのが1975年なので、
もう37年も前のことなのですね。

今ではソリッドステードアンプの代名詞となっています。

コーラスが発売された当初では、
BBD回路の遅延時間はそんなに長くはありませんでした。
頑張ってショートディレイ程度です。
ロングディレイはまだまだテープ式頼みです。

その後、BBD回路の性能も良くなりロングディレイも
可能になりましたが、今ほどディレイタムが長くなったのは
アナログからデジタルディレイに変わってからです。

BBDやその他必要な回路を通せば、当然音は変化します。
音ヤセもするでしょう。それも含めてアナログの音なのです。

アナログの音が好き=少々劣化した音が好き
オーディオの世界では劣化させないことに資金や労力を費やします。

真空管も歪まないピュアな信号を出力するものが良いとされています。
その方達からすれば、真空管で歪ませたり、
態々劣化させて楽しんでいるこの業界は可笑しく見えるでしょうね。

確かに意図的に歪ませたり劣化させたりしていますが、
それ以外の機器や配線には気を使っているのです。(一応)

jc.jpg
話を戻してコーラスですが、
JC-120は2発のスピーカーを搭載しています。

マイク録りするときに注意することがあります。

けっしてそれぞれのスピーカーを別のマイクで
拾ってパンを振らないでください。

コーラスの原理は、
信号を2つに分けて一方を遅らせて揺らして混ぜる。

これを2つのスピーカーで行なっているのがJC-120です。

1つのスピーカーは原音。
1つのスピーカーは遅延させて揺らした音。

少し離れて聞けば2つのスピーカーの音が混ざるので
コーラス効果が得られる。そんなアンプです。

2つのスピーカーを別々のマイクで集音して混ぜればOKですが、
これをそれぞれパンで振ってしまうと、右と左で異なる音が
鳴っていることになります。

右の耳(お客さん)は原音が聞こえ、左の耳(お客さん)には
ピッチが揺れている変な音だけが聞こえます。(^^)

2本のマイクの場合は混ぜればOKと書きましたが、
そんなに簡単な訳でもないようです。

位相の問題などが出るのでしょうか。

1本のマイクで2つのスピーカーの中間を狙って
少しオフマイクでセッティングするのが一番簡単ですね。

エフェクターの仕組みが判れば、
設定するツマミの意味と役割がわかります。

闇雲にツマミを回して意図した音になるまで格闘するより、
仕組みが理解できていると、意図する音に近づける為には
どのツマミを回せば良いか判るので、労力と時間を節約できます。

以前にコンプやリミッター、マキシマイザーの仕組みを書いたので、
今回はコーラスの仕組みについて書いてみました。

何かの参考までに。

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